サラバ青春
その会社の路線としては最後の月を迎えた3月
車内、沿線は異様な雰囲気に包まれていた。
この路線らしからぬ、大勢の人が他所からやってくる光景
どの駅にいてもカメラを向けられる。
本当に異様としか言いようのない光景が、そこにあった。
もはやその光景に嫌気がさすほどに。
合併の一報が入って17ヵ月、気づけばその時が来てしまった
2025年3月31日が
31日の日中、私の姿は千葉市に
電車なんてこれっぽっちも関係ない、県庁のすぐそばにある建物の中に
最終日だからといって特別なことはなく
私もいつもと変わらず学生生活に勤しんでいたわけでして
そんなわけで日中はグラインダについて学んでいた



変わった新鮮味と変わらぬ安心感を感じ帰宅
夕飯と風呂を済ませ夜の下総台地へ


Ciaoは消え去り北総鉄道の情報誌”ほくそう”のみが並んでいた


さて今宵使う切符は一日乗車券
こちらは”新京成電鉄 全駅COMPLETE入場券”に含まれていたもの
この日のために温存していました
時刻は21時が迫り帰宅ラッシュは終わりが見えつつあった

ホームには係員が増えてきた
電光掲示板には”当駅止まり”の文字


新津田沼停泊の一本目がやって来た

到着からたった2分
車内点検をそそくさと済ませ、留置線へと走り去る


電源を落とし、手歯止めを設置して眠りへ就く
次に目覚めるときには別な会社に変わっている


さて今日の主役の登場
先日出場した8938編成である
この日が検査明け初運用となっていた
この姿とSLナンバリングの共演はこの一夜限り
しっかりと目に焼き付けた
これを撮ったところで移動

やってきたのはお隣前原駅
前原駅横にある前原一号踏切はこの路線に惚れ込んだ原点と言っていい場所だったり様々な思い出があります

こんな遊びができるのもこの日が最後
学校の授業で造ってしまうほど惚れ込んじまったんですよ…


変わるのは新京成電鉄だけではない
京成バスグループも同タイミングで大規模な合併が行われたそうで4社に集約された

来た目的は言わずもがな
ここも相当な数通ったなとしみじみ

さて移動して、やって来たのは新鎌ヶ谷
軽く時間があるので興味があったここで時間を潰します

睨んだ通りのものが撮れ満足
この区間は新京成の念願と言っても過言ではない区間
やっとの思いで完成した高架橋ですから

寄り道もほどほどに、やって来たのはお隣の北初富
普段から人が少ないですが22時を回ったとなれば人は誰もおらず…
本当に人っ子一人居ません
そんな中待ってますと、列車からどっと3人ほど降りてきたわけですよ同業が
かなり気さくな方々で楽しく談笑しながらモノまで待っているうちに、気付けばその輪は6人に

微ブレでした🤦🏻

設定変え忘れてノイジーでした🤦🏻🤦🏻
アホ。本当に本番に弱い。
撮影後も談話をしまして盛り上がりました
殆どが見ず知らずの方でしたが楽しく過ごさせて頂きました

ということで出場しまして最後の登山でございます
まず降りて絶望したのは北初富〜新鎌ヶ谷の歩道の整備の工事期間の延長
いや別に住民ではないので困るわけじゃないのですが会社が、かなり力を入れて取り組んできた立体交差化事業が終わりを見ることなく消えていくのか…と
そんな話もほどほどに登っていきます

ということで真っ暗な状況では初めて来ました
日中とはまた違った表情を見せてくれます

変わり果てた姿でXデーを迎える

登山完了
たった3年間ではありますが、トータルで何度ここに通ったことやら
この間での大きな変化と言えば北初富口の最短ルートの変化でしょうか
仮線跡地にできた道路が開通し、北総線下の通路が閉鎖されましたから
思い返すと様々な思い出がありますね、この地には


さらに進めば明日の主役が


さて駅に戻れば伝言板に文字が
チョークが出てるのは初めて見ました
どの駅でもあるのは板だけで、チョークは無かった記憶が
いたずら防止のためでしょうけど



この時間ともなると続々と車庫に消えていきます
そして時間を追うごとにそういう雰囲気の人、警備員ともに増す一方
話してませんでしたが、この日は各駅警察または警備員が待機しており厳重警戒という空気がかなり漂っていまして
仕方ないですよここ数年関東じゃ例無いですもん鉄道会社の合併消滅だなんて
どんな荒れ具合になるのかなんてこちらサイドでも予想できないのですから
実際数回ほど声をかけられまして、内容としては取り調べというより、どういう所に見回りに行ったほうが良いか的な風の聞き方だったので向こうもかなり手探りな印象でした
「やはりこういうのはプロに聞かなきゃ(笑)」と答えていたのでね…
そしてその時は近づく…

23:59京成津田沼行きの最終が出て行く
最後の、全区間を走る下り列車だ

そして2025年4月1日00:00を過ぎ会社は合併、解散した
それとほぼ同時に新京成アプリ、ホームページは閉鎖され徐々に存在を消す作業が始まった
そんな会社そんな場所には無かったと


日付が変わって少し経ち伝説の一夜を終えた8938編成が帰ってきた

短くて長い幻の夜の終わり
入庫も撮ったところで急いで入場
すぐに新津田沼行き最終がやって来る
これを逃すと雨のチラつく冷え切ったくぬぎ山で一夜を明かすことになるがそれは勘弁
車内の人手はそこそこ
同じ目的の人が5割といった雰囲気だった
各駅の発車標は発車すればたちまち闇に溶けてゆく
警備員は通信機で交信をする
騒がしい列車無線
最終列車を体で感じていた
何度通ったかわからない、いつもの道を下っていき気付けば新津田沼手前
車掌からのささやかな別れの挨拶もほどほどに駅に着いていた


当然ながら券売機は発券終了済み

続々と乗客が降りてゆく

横に目を向けると”始発および松戸線開業記念切符”の文字
3時間後この場所はもう別物になっているのだ

出場が終わり、駅員一同が礼をする中シャッターが下ろされる
よく見るとデジタルサイネージにはスカイライナーの文字が
もうここはその会社の物なのだ

シャッターも閉め終わり帰宅となる
数時間後には剥がされる仮の駅名標に見送られながら

帰る中で見たバス停は既に変わり果てていた
一時代の終わり、新時代の始まりを見守ることができた
このあと無事帰宅し思い出にふけっていた
生まれ変われ
いろんな笑顔を結ぶため








